http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121118-OYT1T00481.htm?from=tw
「建設国債をいずれは日本銀行に全部買ってもらうことで、新しいマネーが強制的に市場に出ていく。景気にはいい影響がある」
ついに最後の箍が外れた感じ。日銀が国債を買い取ることを始めたら財政に頭を悩ますことはなくなる。
そもそもカネに価値があるのはなぜか?一般には信用という言葉が持ち出されて、他の人もそう思ってるからとかいう説明がなされる。しかしこれだとなぜ人がそう思うのか、あるいは価値とはなんであるか、という問題をスルーすることになる。
経済で価値を持つのは商品やサービスであり、どちらも労働の支出。カネはこれらの交換の媒体であることによって価値があるものになる。お札を一枚作るには数十円しかかからないが、その量や製造の厳格化によって、質、量ともに守られているのでそれが保障される。
経済は需要と供給で成り立っていて、需要のないものは作っても売れないので、いつかは作られなくなる。そして供給側は競争をしているし、人間にはいいものを作ろうとする動機があるので、商品はどんどん進化する。
政府が自由にカネを作れるとなれば、このカネをつかって人を雇い生産をする。しかしそれが需要に適っている保障はない、それにもかかわらずカネは無限につくれるので、いつまでも続けることができる。
需要のないものがどんどん作られても商品の発展には貢献していない。それは需要によってのみ計られるるからだ。
それでもカネは国民に流れる。商品が発展していないのにカネだけが国民に流れるとすればそれはインフレになる。
今はデフレだからインフレはいいものという間違った見方がある。このようなインフレはただ単に商品の価格上昇しか意味しない。商品の質は上がらないのに価格だけ上がることになる。
それでもデフレは解消し経済は良くなるという考えも間違っている。経済が良くなるかは利潤獲得機会があるかどうかで決まる。上記のようなインフレではこれはおきない。
しかも一度始めてしまえば、もしそれをやめれば失業者が出ることになるし、生活や命に関わってくる。そう簡単にやめるわけにはいかなくなる。
安倍氏の発言からはこういうことまで考えているとは思えない。少なくとも国債を日銀に買ってもらったカネで何をするつもりなのか、やめられるのか、そしてそれが危険な一歩であることを示さなければならない。
こういうカネのつかいかたでも、絶対悪とは言えない。それが経済のインフラ整備に使われ、そのインフラの上で新たな経済活動が進展するならばだ。